"働く"は"はたを楽にする"ということ

昔、歳の離れた人がしてくれた話。
今は連絡を取ることもなくなって
その人が何処に居るのか、何をしているのかも分からないけれど…。
 
あの頃の私は理想と現実のギャップに苦しんで仕事を辞めようか迷っていた。
「そういう気持ちは理解出来なくはない」
優しい口調でその人は話し始めた。
人が仕事を辞めたい、もう無理だと言う時には理由がある。
仕事にやり甲斐がないとか給料が安いとか、いろんな理由。でも…
「結局は、人間関係だと思うよ」
少しずつ諭すようにその人は話を続けた。
理想の仕事に就けたとしても人間関係がダメなら続かないし
多少キツイ仕事でも人間関係が良好なら助け合って上手く続いていく。
みんな自分の理想ってあるし、多くのものを得たい気持ちもある。
でも、たくさんの人間が集まっているところで、それぞれが自分の利益ばかり考えたら
上手くいきっこないよね。
「"働く"っていうのは"はたを楽にする"というところから来ているんだよ」
 
聞いた時はまだ理解出来なかった。
20歳になった頃の私は野心と欲望に振り回されていたから。
あれから何年も経った今。
ようやくあの時にあの人が伝えたかった意味が分かりかけて来たような気がする。
 
…分かっていてもダメな時もあるんだけどね(v_v;